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【要約と感想】戦争と平和/トルストイ

 レフ・トルストイの小説『戦争と平和』は、19世紀初頭のロシア帝国を描いた歴史的な大河小説であり、長期間にわたるナポレオン戦争の影響を受けたロシアの貴族階級と市民階級の様子が描かれています。トルストイは、この小説を通じて、人間の本性、社会の不正、そして戦争の破壊力を描き出しています。

 

 物語の中心人物は、美しく高潔な貴族娘のナターシャ・ロストワと、彼女を愛するアンドレイ・ブルゴーニン、そして彼女を仲介するピエール・ベズホフという三人です。彼らの物語を通して、人間の生と死、戦争と平和、愛と友情など、様々なテーマが描かれています。

 

 物語は、ナポレオンの進軍によりロシア帝国が戦争に巻き込まれるところから始まります。アンドレイは戦争に志願し、辛酸を舐めながらも戦場で勇敢に戦います。一方、ナターシャは、アンドレイと親交のある一族のもとで過ごしていましたが、やがてピエールと出会い、彼の優しさに惹かれていきます。

 

 やがて、ナポレオン軍がモスクワに侵攻し、街は大火災に見舞われます。戦争に疲れきったアンドレイは重傷を負い、死の淵に立たされます。ナターシャはアンドレイを看病するうちに、深い愛情を抱くようになりますが、彼はやがて息を引き取ってしまいます。

 

 戦争が終わり、平和が戻ってきた後、ナターシャは再びピエールと出会い、彼と結ばれます。物語の終盤で、ピエールは哲学的な考えに目覚め、自分自身や社会に対する見方を変えていきます。

 

 トルストイは、戦争の破壊力と人間の本性について深い洞察力を持っています。彼は、戦争によって人々が犠牲になること、人々が他者を殺すことによって、自らも精神的に深い傷を負うことを強調しています。また、トルストイは、人間は常に不完全であることを指摘しており、自己欺瞞に陥り、自分自身を見失い、他者を犠牲にすることがあると述べています。

 

 『戦争と平和』は、トルストイが世界中の人々に向けて発信した平和のメッセージでもあります。彼は、人間は互いに協力し合って生きるべきであり、国家や政治的な陣営にとらわれず、人間が互いに敬意を持ち合うことが必要であると主張しています。彼はまた、人生の真の価値が、戦争や社会的地位ではなく、個人が自分の内面に向き合い、自己超越を図ることにあることを強調しています。

 

 以上のように、『戦争と平和』は、戦争の破壊力と人間の本性、社会の不正、平和の必要性についてのトルストイの洞察力を凝縮した作品であり、人々に向けた平和のメッセージでもあります。

 

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戦争と平和 完全版

 

 

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

at 23:25, jupestar, 読書感想

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【要約と感想】力への意志/ニーチェ

 ニーチェの『力への意志』は、彼の哲学的思考の中でも特に重要な書物であるとされています。本書の中でニーチェが伝えたかったことは、主に二つあります。

 

 まず、ニーチェは人間にとっての最高の価値が「力への意志」であると主張しています。彼は、人間が生きていく上で自己実現や目標達成に向けて、自分自身の力を信じてそれを行使することが必要であると考えました。そして、この力への意志こそが人間にとっての真の自由であり、個性的な人生を生きるために不可欠なものであると考えたのです。

 

 また、ニーチェは人間が生きる上で必要な「意志の力」についても述べています。彼は、人間が自分の意志を持って、それに向けて行動することが必要であると主張しています。そのためには、まず自分自身が何を望んでいるのかを見極め、自己を見つめ直すことが必要であると考えました。そして、その自己の中にある強い意志を信じ、それに向けて行動することが人間にとって必要不可欠なものであると述べています。

 

 ニーチェの「力への意志」は、彼の倫理的思考や哲学的思考の中心的なテーマであるとされています。彼は、自己を見つめ直し、自分自身の力を信じ、それに向けて行動することが真の自由や個性的な人生を生きるための必要条件であると考えたのです。この思考は、現代においても多くの人々に支持され、彼の哲学的業績は今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

 

JUGEMテーマ:読書

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

 

at 14:33, jupestar, 読書感想

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【要約と感想】ツァラトゥストラはこう語った/ニーチェ

JUGEMテーマ:読書

 

フリードリヒ・ニーチェは、その哲学的著作において、多くの思想を提唱してきました。その中でも、『ツァラトゥストラはこう語った』は、彼の最も有名な作品の一つです。この作品は、ギリシャ神話に登場するゼウス神と同じく、人々に道徳的・精神的な指導をする「超人」を提唱し、人間が自己実現に向かって成長することを促すことを目的としています。

 

『ツァラトゥストラはこう語った』の中心的なテーマは「超人」であり、この作品は、ニーチェが提唱する「超人」とは、人間が今までの自分自身を超え、自己実現に向かって成長することを指します。超人は、従来の道徳や価値観を超え、新しい価値観を創造することができるとされています。

 

超人という概念は、ニーチェの哲学の中心に位置しています。彼は、この概念を通して、人間が自己実現に向かって成長することを促し、従来の価値観や道徳にとらわれず、自由に生きることができるようになることを目指しました。

 

また、『ツァラトゥストラはこう語った』では、「永劫回帰」という概念が取り上げられています。この概念は、過去の出来事が繰り返されるというものであり、すべての出来事が繰り返されるとされています。ニーチェは、この永劫回帰を肯定し、それを人間が自己実現に向かって生きるためのヒントとして提示しています。

 

ニーチェは、人間が自己実現に向かって成長するためには、自己変革が必要だと考えていました。自己変革とは、自分自身を超えるために、自分自身を犠牲にすることだとされています。『ツァラトゥストラはこう語った』では、超人が自分自身を犠牲にすることを通して、新しい価値観を創造することができるとされています。

 

具体的には、ツァラトゥストラは「意志の力」を重視しています。彼は、意志が弱い人間は限界に達し、進化ができないと主張しました。そのため、彼は自己克服や自己変革を重視し、自己実現のためには強い意志力が必要だと訴えました。

 

ニーチェは、この本を通じて、人間が自己克服や自己変革を通じて超越し、より高次元の存在になることができる可能性があることを示唆しています。また、彼の哲学は、意志の力や永劫回帰などの概念が、人間の生きる道を指し示すことを主張しています。

at 09:05, jupestar, 読書感想

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【偉人伝】ニーチェの言葉

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

 

フリードリヒ・ニーチェは、ドイツの哲学者・思想家であり、19世紀末に多くの影響を与えました。彼は様々な哲学的問題に取り組み、宗教や道徳、政治、芸術、科学などについて多くの著作を残しました。その中でも特に有名なのは「ツァラトゥストラはかく語りき」や「善悪の彼岸・此岸」などです。

 

ニーチェの言葉は、独自の哲学的観点から生まれたものであり、特に彼の「力の意志」という概念は有名です。彼は人間を自由意志の存在として捉え、人生においては常に自己超越を目指すべきだと主張しました。また、彼は神や宗教的信念を否定し、現実の世界にある善悪や価値は人間が創り出すものであると考えました。

そのため、ニーチェの言葉は多くの人々に影響を与えています。彼の主張は、人間を自由な存在として捉え、自分自身の力で人生を切り拓くことを促しました。また、彼は美と芸術にも大きな関心を持ち、その美的感覚から派生した独自の哲学的観点から、多くの人々に影響を与えました。

 

ニーチェの言葉は、その深い洞察力や鋭い批判性から、現代でも広く読まれています。彼が提起した問題や思想は、現代の哲学的議論や文化論の中でも多くの影響を与えています。彼の主張は、人間として生きることの意味や自己実現のための方法を模索する人々にとって、常に示唆に富んでいます。

 

彼の名言には多くの深い意味が込められており、以下にいくつかの代表的な名言を取りあげます。

  1. 「神は死んだ。われわれは殺した。」

この言葉は、ニーチェが「ツァラトゥストラはこう語った」の中で述べたもので、宗教的な信仰が破綻し、現代人が自分たちで自己の道徳を見出さなければならないということを表しています。人々が宗教的な価値観を脱却することで、彼らは自由で自己決定的な存在としての自己を発見することができます。

  1. 「何も持たず、何も望まず、何も目指さず、ただいることができたなら、誰もが幸せであろう。」

この言葉は、人間が自己中心的な欲望や目標に囚われることによって苦しみを引き起こすという考えを表しています。人間は、常に「もっと良いもの」や「もっと幸せになる方法」を求めるために、自分自身や周りの世界に不満を持ちがちです。ニーチェは、人間が現在に満足することで真の幸福を見出すことができると信じていました。

  1. 「強い人物は、どんな状況でも自分の意志を実現することができる。弱い人物は、状況が自分に合わせないために、自分の意志を曲げることができない。」

この言葉は、ニーチェが「力の意志」の中で述べたもので、人間の強さや弱さについての考えを表しています。強い人間は、自分自身や周りの状況に対して強い意志を持ち、自分の目的を達成するために必要な手段を講じることができます。一方で、弱い人間は自分自身や環境に振り回され、自分の意志を実現することができません。

at 08:58, jupestar, 世界偉人伝

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【要約と感想】マクベス/シェイクスピア

JUGEMテーマ:読書

 

シェイクスピアの『マクベス』は、スコットランド王国を舞台に、主人公マクベスが野心に溺れて王座を手にするが、その後の精神的な苦悩と、自分の犯した罪によって周囲を巻き込んでしまう悲劇を描いた作品である。

 

物語は、ウィッチたちに出会ったマクベスが、自分がスコットランド王になるという予言を聞いて以降、野心に駆られるようになるところから始まる。彼は妻レディ・マクベスの助言を受け、王殺しを決意し、実行に移す。しかし、その後の彼の人生は、予想外の展開を迎えることになる。彼は、自分がしたことによって、周囲の人々の信頼を失い、幻覚に悩まされるようになる。そして、彼の苦悩は、最終的には彼自身と、彼を取り巻く全ての人々の死につながっていく。

 

『マクベス』は、スコットランド王国の歴史に基づいているが、シェイクスピアは歴史的な事実に忠実であるよりも、人間の欲望や苦悩、罪悪感などの心理描写に力を注いでいる。マクベスの心理的変化が、彼が取る行動や、彼を取り巻く人々の運命を決定づける。特に、彼の妻レディ・マクベスは、彼の野心を煽り、王殺しを実行するために積極的に行動するが、後に自分自身を苦しめることになる。

 

シェイクスピアは、『マクベス』において、人間の欲望や苦悩、罪悪感などを非常にリアルに描写している。マクベスの野心や苦悩、レディ・マクベスの心理的変化、その他の登場人物たちの行動は、現代の読者にも共感を呼び起こす。また、彼の言葉遣いや文体は、詩的で美しい。

 

 

後半戦では、マクベスは絶望的な状況に陥る。彼の欲望は、彼自身や彼の家族、そして彼の国を滅ぼすことになる。

マクベスは、最後には自分自身の罪悪感や恐怖に苦しむことになる。彼は自分自身の手でダンカン王を殺したことについて後悔し、ハンコックに対する怨恨にも苦しむ。彼は幻覚を見たり、悪夢にうなされたりしている。そして、彼は最後に自分自身を追い詰めるために、マクダフの家族を殺すという悪逆非道な行為に及ぶ。

 

結局、マクベスは戦いでマクダフと対決し、彼の最期は悲惨なものとなる。彼は自分が得た権力を失い、愛する人々を失い、そして自分自身を失ってしまったのである。

 

感想としては、マクベスは欲望や野心が人間をどのように狂わせるかを示した壮大な悲劇であると言える。シェイクスピアは、人間の弱さや欲望がどのように自己破滅を招くかを見事に描き出している。また、戦争や暴力の中で人間性を失ってしまうことを警告している。マクベスの物語は、今日でも現代社会においても深い共感を呼ぶものであり、その持つ深い人間性を備えたストーリーが、世界中の人々に愛される理由とも言える。

at 00:12, jupestar, 読書感想

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私はフォトン星人vol.17


「うん。でも念のために回復魔法をかけておいた方が良さそうですね」
「そんなことまでできるのか」
「はい。少しじっとしててください」
セレスはそう言いながら、健一の頭に手を置いた。
そして、呪文のようなものを唱え始める。
――暖かい。健一の身体に優しい光が降り注ぐ。
「どうでしょうか?」
「ありがとう。すっかり元気になったよ。痛みも完全に引いたみたいだし」
健一は自分の手足を動かしてみせる。
「よかった〜」
「本当に健一さんは油断なりませんね」
二人とも安堵のため息を漏らす。
「それでこれからどうしますか? 一旦、街に戻りますか?」
「うーん、そうだな……」健一は顎に手を当て考える仕草を見せる。
それから、しばらくして口を開いた。
「よし、決めた。このまま進もう」
「えっ?いいの?」
「いいのかって、どうしてだ?」
「いえ、その……健一くんが行きたくないっていうのであれば、無理についていくつもりはありませんし……」
「私は健一さんのご意志に従うだけですから」
「いや、そういう意味じゃないんだ。ただ、ちょっと考えが変わったというかさ」
「どういう風に考えたんですか?」
「正直に言うと、今はあんまり他の奴に会いたくなくてさ。もちろん、二人が嫌だとかそういうわけじゃないぞ。むしろ、俺にとっては大切な仲間で家族みたいなものだと思っている」
「じゃあ、なんで会いたくないと思ったんですか?」
「それはさっきの男が原因なんだ。あいつの顔を見た瞬間、頭の中に色々と浮かんできてな。それが妙に懐かしくて、なんかこう胸がざわつくんだよ」
「そういえば、健一さんは記憶喪失になってたんですよね。もしかしたら、その記憶の一部が蘇ったのかもしれませんね」
「そうかもしれない。とにかく今の俺はあいつに会わないといけない気がするんだ」
「健一さんの意志は分かりました。では、進みましょう」
「ああ、よろしく頼む」
「任せてください!」


セレスは自信満々といった感じで自分の胸に手を当てる。
「それじゃあ、出発だ!」
三人は塔の中へと足を踏み入れた。
「これは凄いな……」
中に入った途端、健一は思わず感嘆の声を上げた。
目の前には巨大な螺旋階段があった。
「これ上るのか?」
「はい、そうですよ」
「マジかよ。結構、大変そうだな」
「頑張って登りましょう!頂上に行けば何か分かるはずですから」
――まぁ、それもそうだな。ここで悩んでいても仕方がない。
健一は覚悟を決めると、ゆっくりとした歩調で歩き始めた。
「ふぅ、やっと着いたか……」
健一は額に流れる汗を拭いながら呟いた。
「お疲れ様。はい、タオル」
「ああ、ありがとな」
「それにしても随分早く着きましたね」
「そうだな。このペースならもっと時間がかかると思っていたんだけどな」
「やっぱり聖遺物のおかげなのかもしれないね」
「ああ、そうかもしれない」健一は改めて腕輪を見る。
――本当に不思議な代物だよな……。これが何なのか分からないけど、きっとすごい力を持ったアイテムに違いない。
「健一さん、どうかしましたか?」
「あっ、悪い。なんでもないんだ」
「そうですか。それならいいのですけど……」
「とりあえず先に進もうぜ」
健一たちはそのまま真っ直ぐ進んで行く。
すると、すぐに大きな扉が現れた。

 

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at 12:39, jupestar, 小説Z

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【要約と感想】ハムレット/シェイクスピア

【要約】

物語は、デンマーク国王の死とその後継者問題を中心に展開されます。デンマーク国王が急死し、その弟のクローディウスが新たな国王に即位します。しかし、国王の幽霊が現れ、ハムレットに自分を殺害したのはクローディウスであることを告げます。

ハムレットは父の復讐を誓い、その真相を確かめようとします。しかし、復讐を果たすためには自らの行動や信念を犠牲にすることが必要であり、葛藤や苦悩に満ちた心情が描かれます。

 

物語は、ハムレットが復讐のために様々な方法を模索し、周囲の人々との関係を深化させながら展開されます。ハムレットは、自分の父の幽霊による言葉や自分自身の理性に翻弄されながら、復讐を果たすために奮闘します。

 

しかし、ハムレットの行動や態度に疑問を持つ人々も多く、彼の行動によって周囲の人間関係に深刻な影響を及ぼします。ハムレットは、自らの葛藤や迷いに苦しみながら、父の復讐を果たすために過酷な道を歩み続けます。

 

物語は、様々な事件やドラマチックな展開を経ながら、ハムレットの復讐の果たされないまま物語が終わります。ハムレットは、復讐のために多くを犠牲にし、最後には自らの命を落とします。

 

【感想】

ハムレットの物語は、主人公ハムレットが父の復讐のために葛藤し、自らの信念や行動を犠牲にしながらも、その果たされないまま終わる悲劇的な運命が描かれています。ハムレットは復讐を果たすべきかどうか、自らの信念や良心との葛藤に苦しみます。

 

また、ハムレットとクローディウスの対立や、ハムレットと母親のガートルードとの関係など、家族や友情、愛情などの人間関係の複雑さも描かれており、登場人物たちの心情や行動が絡み合い、物語を一層深みのあるものにしています。

 

特に、ハムレットの内面的な葛藤や苦悩は、シェイクスピアの緻密な言葉と描写によって描かれており、その心理描写には深い感動を覚えました。ハムレットは父の復讐を果たすために自らの信念や行動を犠牲にしながらも、自らを疑い、自己を見つめ直し、自らの存在意義を問い続けます。その葛藤や苦悩が、モノローグやソロロキーといった長い台詞の中で、美しい言葉遣いやメタファーを用いて表現されており、その深さに心を打たれました。

 

ハムレットの言葉の美しさや韻律にも魅了されました。シェイクスピアの作品ならではの美しい言葉や表現が、物語を一層鮮やかに彩り、感情や情緒を深く揺さぶるものとなっています。

 

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at 12:20, jupestar, 読書感想

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【福沢諭吉】学問のすすめの要約と感想

【要約】

『学問のすすめ』は、福沢諭吉が明治初期に著した書籍です。本書では、福沢が教育に対する自分なりの見解を述べています。

福沢は、西洋の文化や科学技術が日本にもたらされる中で、日本の伝統文化に対する見方が変わりつつあった時代に、教育における学問の重要性を説いています。

 

福沢は、学問を通じて人が自己を開発し、社会に貢献することができると主張しています。

特に、学問を身につけることで、自分自身の価値を高めることができ、社会的地位を向上させることができるとしています。

また、福沢は「国民の道徳的な教育が重要である」とも述べ、学問を通じて品位ある人間を育てることができるとしています。

 

【感想】

『学問のすすめ』は、日本の近代化に大きな影響を与えた書籍として、今なお多くの人々に読まれ続けています。

福沢が述べる学問の重要性は、現代でも全く変わっていません。学問を通じて自分自身を開発し、社会に貢献することは、今日でも非常に重要なことであると言えます。

 

また、福沢は学問を通じて品位ある人間を育てることができると述べていますが、これは今日でも十分に意義のあることだと考えられます。技術や科学力の発展は、もちろん重要なことですが、それだけでは社会が豊かになるわけではありません。

人間性を高め、道徳的に優れた人材を育成することが、真の豊かな社会を築く上で欠かせないことであります。

 

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at 18:40, jupestar, 読書感想

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私はフォトン星人vol.17


――分かった。気をつけてな。
健一はそう言い残すと、男の元を離れた。
健一は慎重に足を進めながら部屋の奥へと向かう。
そして、部屋の隅まで辿り着くと、そこで立ち止まった。
――よし、この辺でいいかな。健一はアイテムポーチの中からスコップを取り出し、それを床に突き立てると、土を掘り始めた。
しばらく掘っていくと、やがて小さな穴ができあがる。
――こんなもんでいいか。健一は額の汗を拭う。
それから、健一は掘り出したものを穴の中に入れる。


「おい、健一! こっちに来てくれ!」
遠くから男の呼ぶ声が聞こえてくる。
――今、行く! 健一は返事を返すと、急いで声の主の元へ駆け寄っていった。
「やっと来たな。ほれっ」
男が投げ渡してきたものを受け取る。――これは……腕輪? 健一の手の中には青い宝石のついた腕輪があった。
「多分、それがお目当てのものだと思うぜ」
――これがそうなのか……。健一はまじまじと腕輪を観察する。
「ちょっと見せてみろ」
健一は男に言われるまま、手に持っていた腕輪を手渡した。
男は腕輪を手に取ると、それを様々な角度から観察し始めた。
「ふむ、間違いないな。こいつが噂の聖遺物に違いない」
――聖遺物?
「ああ、そうだ。遥か昔に存在した伝説の勇者が身につけていたとされる装備のことだよ。まさかこんなところで出会えるとは思わなかった。これで俺は大金持ちになれるぞ!」
――そうか……良かったな。健一は適当に相槌を打つ。
「それじゃあ、俺はこのへんで失礼させてもらおうかな」
――えっ、もう帰るのか!?健一は驚きのあまり目を丸くする。
「当然だろう。目的は達成できたんだし、長居は無用だ。それにまた魔物が来るかもしれないからな。さっさとずらかった方がいい」
――それは、まぁ、そうなんだけど……。
「なんだ?まだ何かあるのか?」
――いや、何でもない。ただ……もう少しだけ一緒にいられないかなと思って……。
「悪いな。それはできない相談だ。俺にはやらないといけないことがあるんでね」
――どうしてもダメなのか?
「ああ」
――……分かったよ。それじゃあな。健一は名残惜しげに言うと、その場を離れようとした。


「待てよ」
だが、その直前、男に呼び止められる。
健一は何事かと思い振り返る。
すると、そこには真剣な表情を浮かべる男の姿があった。
「最後に一つ聞きたいことがあるんだ」
――何だ?
「お前は本当に記憶を失っているのか?」
――……。
「答えてくれ」
――……ああ、そうだ。俺はお前たちのことを何も覚えていない。
「本当に何も思い出せないんだな?」
――ああ、残念だけどな。
「そうか……」
男は小さく呟くと、大きく息を吐いた。
そして、顔を上げると健一の目を見つめてきた。
健一はその視線を受け止めることができず、思わず顔を背けてしまう。
「健一……」
――えっ? 今、なんて言ったんだ?健一は慌てて男の方に顔を向ける。
しかし、既にその時は遅く、男は背中を向けた後だった。
「健一、必ず迎えに行く」
男はそれだけ言い残すと、走り去って行った。
「健一くん、大丈夫ですか?怪我とかしてませんよね?」
「ああ、大丈夫だ」
「本当?どこか痛いところはない?」
「平気だって。心配性だな、二人は」
「健一さんはすぐ無茶をするから、つい気になってしまうんですよ」
「私も同じ気持ちです」
「ははっ、確かにそうかもな」健一は苦笑しながら頬を掻く。「でも、今回は本当に大丈夫だから安心してくれ」
「ならいいんですけど……」

 

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at 17:56, jupestar, 小説Z

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私はフォトン星人vol.16


健一はハッとした表情を浮かべる。
――どうしてそれを!?
「図星みたいだな。なら話は早い。ほら、行こうぜ」
――待て! 健一は慌てて呼び止める。
――何をするつもりだ?
「何をって決まってんだろ。宝探しだよ。そのためにここまで来たんだろ?」
――確かにそうだけど危険すぎる! あの化物はおそらくボスクラスの強さを持っていた。そんな奴が徘徊しているような場所にのこのこ入っていけば命を落としかねない。
「なんだよ。ビビッてんのか? たかが犬の骨一匹殺しただけじゃねえかよ」
――たかがだと?
「ああ、たかがだね。所詮、魔物なんてただの獣と同じさ。殺しても罪悪感なんか湧きやしない。むしろ、経験値をくれたことに感謝したいくらいだ」
――あんたには人の心が無いのか?
「心? はっ、くだらないな。そんなもの持っていたら冒険者なんざやってられないぜ。まあ、お前の言うことも一理あるな。確かにあいつらは敵だからな。躊躇っていたらこちらの命が無くなる。お前の言う通りかもしれない」
――だったら! 健一は声を荒らげる。しかし、男は落ち着いた様子で答えた。
「だからといって無闇に突っ込んでいくのは馬鹿のすることさ。それに俺はちゃんと作戦を考えている。大丈夫だ。心配はいらんよ」
――本当か?
「もちろんさ。俺はこう見えても慎重な性格なんだぜ。さて、そろそろ出発しようか。いつまでもここにいるわけにもいかないしな。ああ、それと最後に忠告しておいてやるよ。もし、俺の指示に従わなかった場合、お前を見捨てて逃げることになる。だから、死にたくなけりゃ大人しくついてこい。いいな」
――分かったよ。


健一は不承不承ながらも承諾する。
「よし、じゃあ行くぞ」
男は満足げに微笑むと、再び歩き始めた。
その後、二人は順調にダンジョンの中を進んでいった。
途中、何度か魔物に遭遇したものの、危なげなく撃退することができた。
そのおかげで、健一はすっかり落ち着きを取り戻していた。
そして、現在に至る。
――おい、まだ着かないのかよ。
健一はうんざりした声で問いかける。
「もうすぐ着くはずだ。我慢してくれ」
――なあ、やっぱり戻ろうぜ。こんなところにいても時間の無駄だ。
「そうはいかん。一度決めたことを途中で投げ出すのはよくない。それに言っただろう。俺は宝を探しているんだ。この先にきっとお目当てのものが眠っているに違いない。それを手に入れれば大金持ちになれる。一生遊んで暮らせるだけの金を手に入れることができるんだ!」
――お金、ねぇ……。
健一は冷めた目で男を見る。
――悪いけど俺はそこまでお金に興味はないな。
「おいおい、何言っているんだよ。お前だって男なら一度は夢見るはずじゃないか。伝説の武器を手にいれて勇者になるってな。お前もそういう浪漫に憧れてきたクチじゃないのか?」
――別にそういう訳じゃないよ。
「そうなのか? おかしいな。お前は記憶を失っているから昔のことは覚えていないはずだろ? なのにどうしてそんなことが言えるんだ?」
――それは……その……まぁ、あれだ。
「ふーん、そうか。お前、本当は全部思い出しているんじゃないのか」
――ち、違う! 俺は本当に何も知らないんだ! 健一は慌てて否定するが、その声は震えており動揺を隠し切れていなかった。
「まあいいさ。お前が何者だろうと関係ない。大事なのはこの先にあるはずの宝を見つけることだ。そのためにはまずここを突破しなければならない。そのためにはお前の力が必要だ。頼むから力を貸せ」
――……。
「どうした? 黙りこくっちまって。まさか怖気づいたのか?」
――そんなことはない。
「だったら俺に協力してくれるよな?」
――……分かったよ。
「ありがとう。助かるぜ。それじゃあ早速だが、あの扉の向こう側に行ってみよう。そこに何かがある気がするんだ」
健一たちは目の前に立ち塞がる巨大な鉄の扉の前に立っていた。
男は懐から鍵を取り出すと、それをドアノブに差し込む。すると、カチャリという音が響いた。どうやら施錠が解除されたようだ。
男は健一の方を見ると、ニヤッと笑う。

 

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at 03:31, jupestar, 小説Z

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